生活保護の保護決定通知書
- 生活保護でお金がいくら支給されるかが記載
- 支給の明細(扶助・控除など)が記載
- 生活保護の扶助(お金)の支給日を記載
- 生活保護開始日が分かる初回発行の保護決定通知書は重要
お断り
本記事の内容は、私が担当ケースワーカーさんに取材させていただいた内容を元にしています。
生活保護は、各自治体の裁量が非常に大きく、自治体によっては対応が異なる場合もありますので、参考としてご覧になってください
今回は生活保護の保護決定通知書について説明します。
保護決定通知書は、ザックリ言うと自身がどのような扶助を受けて、その月にいくら生活保護のお金を貰えるかが確認できる書類です。
最終的にもらえる金額だけでなく、支給額から差し引かれる、収入や代理納付(天引き)の金額も明記されています。
しかし、情報量が多過ぎて、
このような方も中にはいらっしゃると思いますが、保護決定通知書を確認すればそのような疑問は一発で解消できます。
という事で今回は、生活保護の保護決定通知書が
生活保護の保護証明書が
- どんな書類で
- どう読むと正しい読み方なのか
- どんな使い道があるのか
を紹介します。
保護決定通知書は自治体によって書類名や記載内容が異なりますので、あくまで参考としてご覧になってください
保護決定通知書とは?
冒頭でも少し触れましたが、生活保護受給者に対して、
生活保護の保護決定通知書
- どんな種類の扶助を受けているか
- 各扶助で支給される金額
- 支給額から差し引く項目と金額(収入や代理納付[天引きなど])
- 生活保護の扶助(お金)の支給日を記載
を通知する書類です。
つまり、
- 支給される金額
- 差し引かれる金額
- 最終的に支給される金額
が明記されているので、イメージ的には給与明細に近いです。
保護決定通知書に記載されている内容
保護決定通知書の記載内容
- 保護決定の内容と理由
- 認定した扶助額および収入額の内訳
- 認定した一時扶助の内訳
- 保護費支給額の算定(代理納付)
- 保護の変更による支給・戻入の金額と方法
- この通知が申請受理後14日を経過した理由
- 教示(裏面)
1:保護決定の内容と理由
保護決定の内容と理由
- 区分
- 決定年月日
- 決定理由
上記項目が明記されており、生活保護の開始や家賃の認定といった案内から、冬季加算や期末一時扶助など、新たに計上される扶助が記載されます。
Ⅰ:区分
開始or決定 などが記載されます。
Ⅱ:決定年月日
決定した年月日が記載されます。
Ⅲ:決定理由
決定理由が記載されます。
ちなみに、上↑の画像に書いてある通りですが、生活保護の開始時には、「手持ち金・貯金等の減少により保護を開始します」と記載されていました。
2:認定した扶助額および収入額の内訳
直近3カ月分の各扶助金額、収入認定額、および収入を差し引いて実際に支給される扶助額が記載されています。
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認定した扶助額および収入額の内訳の詳細
step
1生活費の世帯基準額
生活費の世帯基準
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 医療・介護
- 一時扶助(充当対象)
対象の世帯が、各扶助ごとにいくらの金額が支給されるか、内訳が記載されています。
医療・介護扶助は現物支給(自己負担0[無料])なので、現物支給と記載されています。
step
2収入認定額
該当月の収入があった場合記載されます。
生活保護受給者は毎月の収入を福祉事務所へ報告する義務があり、収入があった場合は前述の支給額から収入額を差し引いて支給されます。
収入は一定の控除を受ける事ができ、ここでは控除後の収入認定された金額が記載されます。
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step
3扶助額①-②
収入があった場合は、扶助される金額から差し引かれます。
例
①:収入が0なら10万円支給される
②:収入が3万円あった
①-② = 10万円 - 3万円 = 7万円が③の扶助額となる
更にこの金額から、(あれば)一時扶助の金額を足して、代理納付(天引き)分が差し引かれたのちに、最終的な支給額となります。
step
4定期計上一時扶助(充当対象外)
ある場合は記載される。
3:認定した一時扶助の内訳
認定された一時扶助があれば記載されます。
具体的には賃貸保証の更新手数料などがこれに当たります。
これは私が賃貸の保証契約を更新した際の保護決定通知書ですが、一時扶助で支給される事が明記されています。
Ⅰ:変更月
対象となる月が記載されます。
Ⅱ:種別
どのような一時扶助なのか記載されます。
上↑の画像でいうと、「住宅扶助契約更新料」と書かれていますね。
Ⅲ:金額
金額が記載されます。
4:保護費支給額の算定(代理納付)
代理納付とは給与天引きと言ったらイメージしやすいでしょう。
例えば、家賃を福祉事務所が直接貸主(大家さんなど)へ支払ったりするのが代理納付にあたります。
代理納付された分が支給金額から天引きされるのは、当たり前と言えば当たり前ですね。
であれば、代理納付してもらった分は生活保護の支給額から天引きされて当然ね
そうだね
話を戻して、「保護費支給額の算定(代理納付)」の欄は直近3か月分が記載されます。
各月、扶助額から更に引かれるもの等を差し引いて、「今回の支給・戻入額」へ該当月の支給金額が記載されます。
Ⅰ:変更後の扶助額
「2認定した扶助額および収入額の内訳」の③扶助額がここに入ります。
ここから更に差し引かれる項目があれば差し引かれて行きます。
Ⅱ:変更前の扶助額
変更前の扶助額が記載されます。
支給済みの月に関しては、変更後の扶助額と同額が入ります。
このような感じですね。
Ⅲ:あなたに代わり納付する金額
あなたに代わり納付する金額
- 介護保険料
- 住宅家賃
- 給食費
上記のうちで、代わりに納付してもらっている項目があれば記載されます。
これが代理納付ね!!
パイナポー流石!!
Ⅳ:徴収金調整額
あれば記載されます。
Ⅴ:今回の支給・戻入額
ここから、(あれば)一時扶助の金額を足す事で実際に支給される金額になります。
あくまでこの欄では一時扶助の金額は入っていませんので注意しましょう。
5:保護の変更による支給・戻入の金額と方法
ここの同月分を全て足した金額がその月の支給金額になります。
上の写真でいうと、
- 12月分 150,320円を平成30年12月3日午後1時30分から福祉事務所で支給します。
- 12月分 13,890円を平成30年12月3日午後1時30分から期末一時扶助を福祉事務所で支給します。
が12月分として支給される金額です。
期末一時扶助や一時扶助は、同じ月でも異なる行で記載されますので同月分を合計する訳ですね。
6:この通知が申請受理後14日を経過した理由
あれば記載されます。
7:教示(裏面)
内容に不服がある場合は審査請求できる旨と注意点が記載されています。
保護決定通知書はどうやって手に入れるか
保護決定通知書は福祉事務所が発行し、普通郵便で自宅に届けられます。
保護証明書はいつ発行されるのか?
保護決定通知書は支給金額や情報に変更があれば随時発行されます。
直近3か月分の支給額が記載されておりますが、支給金額に変更がなければ発行されません。
ですから、一時扶助などで扶助の追加などがあった場合は、随時保護決定通知書に変更を反映させたものを発行し、生活保護受給者の自宅に郵便で送ります。
保護決定通知書が必要になる時はいつ?
実は保護決定通知書が、対外的に必要とされる事は(ほぼ)ありません。
ですから、用途は自身が支給される金額と内訳を確認する位です。
生活保護受給者である事を証明する必要がある場合、そちらの書類が必要になりますが、例外的に保護決定通知書でも特別なものが存在します
初回発行の保護決定通知書は非常に重要
初回発行の保護決定通知書が必要になる時
- 医療券がない場合の緊急搬送時
救急車を呼んだ際など、緊急のため医療券が無い場合は、生活保護の開始日が記載されている初回発行の保護決定通知書が、生活保護の受給者である事の証明になります。
本来、生活保護受給者が病院にかかる際は、福祉事務所で医療券を発行してもらう必要があります。
しかし、緊急時はそのような時間はありませんので、初回発行の保護決定通知書を持って生活保護受給者である事を証明します。
また、生活保護の開始日が記載されている、初回発行の保護決定通知書がない場合は、保護証明書という書類でも、生活保護受給者である事が証明できます。
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まとめ
生活保護受給者でも、支給される金額が1年間全く同じにはなりえません。
例えば1年の内、期末一時扶助や冬季加算は必ず発生するからです。
ただしそれは一時的なものなので、
という事を疑問に思っている方も多いはずです。
保護決定通知書をしっかりと確認すれば、その謎は解けますので、情報量が多く難解ではありますが、この機会に一度保護決定通知書を見返してみてはいかがでしょうか。