条件はありますが膠原病(こうげんびょう)にかかってからでも入れる医療保険は沢山あります。
「沢山」という曖昧な表現をする理由は、
- 病状次第では保険加入できない
- 病状次第では保険加入に条件がつく(条件は病状で変わる)
この壁が膠原病(こうげんびょう)患者に存在するからです。
この2つの壁は、
という事を意味し、膠原病(こうげんびょう)患者の保険商品の選び方は健康な方の選び方とは全く違うものになります。
そして、膠原病(こうげんびょう)を患ってから医療保険に加入すべきかは、
- 膠原病(こうげんびょう)の医療費はどの位かかるのか?
- 国や自治体の助成は受けられるか?
- 膠原病(こうげんびょう)にかかっても入れる医療保険の特徴は?
この3つで判断する事ができますので、まずは「自身にとって医療保険が必要であるか」を判断した上で、「必要であればどうやって加入する保険を選ぶか」を説明していきます。
ココに注意
私は膠原病(こうげんびょう)のうち、「全身性エリテマトーデス」と「シェーグレン症候群」を患っています。
それ以外の膠原病(こうげんびょう)を患っている場合はこの記事の内容が当てはまらない場合があります。
「膠原病(こうげんびょう)かもしれない」、「膠原病(こうげんびょう)にかかってしまったばかりで何をしていいか分からない
という方は、私が実際に行った検査入院前にした手続き、病気確定後の公的補助申請など全てを纏めていますのでこちらをご欄ください。
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膠原病になったら
膠原病(こうげんびょう)の医療費はどの位かかるのか?
膠原病(こうげんびょう)の医療費がどの位かかるかの目安を表に纏めました。
このカテゴリーごとに、膠原病(こうげんびょう)の医療費は大きく異なります。
- 発症期:都度数千円程度
- 外来検査期:数千円~二万円程度
- 検査入院:「自己負担限度額」 + 「食事代」 + 「差額ベット代」
- 退院から寛解まで:毎月6,000円~15,000円程度
- 寛解時:毎月6,000円~15,000円程度
- 再燃時:「自己負担限度額」 + 「食事代」 + 「差額ベット代」
寛解とは少ない薬の服用で病気の症状を抑えられている状態の事
数字の根拠は私が支払った膠原病(こうげんびょう)の医療費からです。
『通院費も入院費も薬代も全てレシート付で紹介』
⇒(私の)膠原病(全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群)の医療費
発症期
この時期は、よほど症状が強くない限り、自分が膠原病(こうげんびょう)にかかっている事すらわかりません。
理由は、症状が軽いと膠原病(こうげんびょう)と特定できないからです。
例えば、膠原病(こうげんびょう)の症状に継続的な発熱があります。
たとえ、熱があっても風邪だと思い込んだり、夏場の場合は熱中症にかかったと思ったりなどして膠原病(こうげんびょう)だと始めから疑う事は医者でもしません。
私は熱中症と同時に膠原病(こうげんびょう)(全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群)を発症しましたが、最初は熱中症だと医者にも言われました。
そのため、発症期は膠原病(こうげんびょう)だとわからずに、体調不良で都度病院にかかり医療費を支払う事になります。
ポイント
さらに詳しく
外来検査期
必ずとは言いませんが、多くの人体調不良が原因不明である事からようやく膠原病(こうげんびょう)が疑われ専門の検査を行います。
これは仕方のない事で、膠原病(こうげんびょう)の症状が軽い時は、継続的な発熱だったりします。
しかし、
といきなり検査される事はありません。
膠原病(こうげんびょう)は専門的な検査をする事になるので、「ウィルス性ではない継続的な発熱」や「日光過敏」など、膠原病(こうげんびょう)の症状(可能性)が見受けられてから検査をする人がほとんどです。
膠原病(こうげんびょう)はウィルス性の病気ではなく、診断基準が多く複雑なので1日外来しただけでは検査項目全てをこなせません。
その為、膠原病(こうげんびょう)の検査は数日に分けて実施されますが、トータルで数千円~2万円程度になります。
金額の幅が大きいのは、沢山ある検査項目のうち、最小の検査項目で病気を確定できた場合です。
外来でできる検査項目全てを実施すると2万円程度かかります。
ポイント
⇒費用は数千円~2万円程度とブレ幅が大きい
さらに詳しく
【関連記事】
膠原病(こうげんびょう)の診断基準など|膠原病(こうげんびょう)について
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膠原病について
検査入院
外来でできる膠原病(こうげんびょう)の検査項目を、全て実施しても膠原病(こうげんびょう)であると確定できない場合は検査入院をして、より詳細に検査します。
前述しましたが膠原病(こうげんびょう)の診断基準は非常に多く複雑なので外来では検査を実施しきれない事もあります。
外来の検査だけで膠原病(こうげんびょう)である事を確定できる人ももちろんいますが、私は検査入院をしました。
検査入院は全ての検査項目を実施しても2週間で終わりますので、最長で2週間と言えます。
検査入院の医療費
参考:私の検査入院時医療費
あくまで参考ですが、私の場合だと通算14泊16日で費用は額面「495,270円」。
健康保険限度額適用認定証のおかげで実際の支払いは「79,380円」でした。
平均的な所得のサラリーマンで保険適用の病室であれば100,000円程度でしょう。
ポイント
⇒期間:最長2週間
⇒費用:「自己負担限度額」 + 「食事代」 + 「差額ベット代」
さらに詳しく
【関連記事】
医療費の自己負担限度額(高額療養費制度)|膠原病(こうげんびょう)になったら
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膠原病になったら
退院から寛解まで
膠原病(こうげんびょう)だと確定診断を受けた後は、定期的に通院しつつステロイド(プレドニゾロン)の服用を継続する事になります。
治療開始時は、ステロイド(プレドニゾロン)の服用量を多くし、病気に負けないようにしますが、約2週間ごとに通院し症状が抑えられていればステロイド(プレドニゾロン)の服用量を10%程度減量する。
という事を繰り返します。
服用量が15mg/日を下回ると、減量する幅は少なくなります。
そのため、治療開始後(ステロイド[プレドニゾロン]服用開始後)の医療費は月あたりいくらという固定費であると考えるべきです。
2週間おきの月2回通院だと医療費は3,000円~4,000円程度ですが、月に3回通院した場合は6,000円程度までかかります。
ポイント
⇒月2回通院:3,000~4,000円程度
⇒月3回通院:6,000円程度
さらに詳しく
【私の体験記】
⇒膠原病(こうげんびょう)の発症から現在(闘病日記)
【関連記事】
『私のステロイドの服用量・副作用を紹介』
⇒膠原病(全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群)のステロイド治療について
寛解時
基本的には「退院から寛解まで」と同じと思っていいでしょう。
人によってはステロイド(プレドニゾロン)の服用量がかなり少なくなり、通院サイクルも1か月と長くなりますので、そのような方は「退院から寛解まで」よりも医療費がかかりません。
ポイント
⇒月2回通院:3,000~4,000円程度
⇒月3回通院:6,000円程度
再燃時
寛解は少量の薬の服用で病気の症状を抑えられている状態で、再燃は文字通り病気が再燃する事です。
そして膠原病(こうげんびょう)は「寛解」と「再燃」を繰り返す病気です。
再燃し、入院治療を受けた場合の医療費は
検査入院の医療費
が医療費としてかかります。
また、ステロイド(プレドニゾロン)の服用量によっては入院が長期化(数か月)する場合もありますので注意が必要です。
ポイント
⇒医療費:「自己負担限度額」 + 「食事代」 + 「差額ベット代」
⇒期間:ステロイド(プレドニゾロン)の服用量次第では数か月になる事も
「再燃時」の医療費は常に準備しておく必要がある
膠原病(こうげんびょう)は「寛解」と「再燃」を繰り返す病気である事は前述しました。
そして「再燃」はいつ起きるか分かりません。
つまり、「寛解」していても常に「再燃」時の医療費は準備しておく必要があります。
この事が、膠原病(こうげんびょう)にかかっても医療保険に入る必要があるかに大きく関わってきます。
ポイント
⇒医療費:「自己負担限度額」 + 「食事代」 + 「差額ベット代」
膠原病(こうげんびょう)にかかってから医療保険加入が必要か判断するポイント
膠原病(こうげんびょう)の医療費は通院、処方の固定費以外にも、常に「再燃」時の医療費を準備しておく必要があります。
「再燃」時に必要な「自己負担限度額」についてですが、膠原病(こうげんびょう)にかかった場合、国や自治体の医療費助成や給付金などを受ける事ができます。
この他にサラリーマンの場合は「傷病手当金」制度なども利用でき、こういった助成や制度が利用できるかが「医療保険加入が必要か」の分かれ道になります。
特に重要な助成などは下記の通りですので1つずつ説明してきます。
- (指定難病の)医療費助成を受けられるか
- 難病患者福祉手当(給付金)を受給できるか
- 傷病手当金制度を利用できるか
ポイント
1:(指定難病の)医療費助成
2:難病患者福祉手当(給付金)
3:傷病手当金制度
1:(指定難病の)医療費助成を受けられるか
膠原病(こうげんびょう)のうち、私が患っている全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群は指定難病に指定されており、確定診断を受ければ(指定難病の)医療費助成申請ができます。
重症度によって否認される場合もありますが、認定されれば
- 認定された病気は医療費の自己負担上限額が0~30,000円になる(所得で変動)
- 認定された病気は医療費の自己負担割合が2割になる
という恩恵が受けられます。
例えば、医療費の自己負担上限額が57,600円の方が入院し治療を受けた場合、支払う医療費は57,600円(上限額)+食事代+保険適用外分です。
しかし、医療費の自己負担上限額が57,600円の方でも(指定難病の)医療費助成を受けている方が対象の病気で入院治療した場合、支払う治療費は0~30,000円(上限額)+食事代+保険適用外分となります。
私の例
▼医療費助成を受け、全身性エリテマトーデスの医療費上限額:10,000円
「全身性エリテマトーデス」の治療入院であれば、一か月入院しっぱなしでも医療費は「10,000円」 + 「差額ベット代」+「食事代」
※保険適用外分は除く
・自己負担も3割から2割になる
このように管理表で助成対象の病気にかかった医療費をまとめ、限度額(10,000円)を超えた時点で請求はされなくなる。
※超過した分は返戻される
たった1割しか負担が減らないと思うかも知れないが、3割から2割はあくまで自己負担割合の話なので、支払額に換算すると33.3%安くなるため非常にメリットがある。
このように、自己負担上限額が57,600円と同じ方でも、(指定難病の)医療費助成をうけていれば、その病気に関しての自己負担限度額は非常に低くなりますので、まずはこの助成がうけられるかが重要です。
ポイント
⇒認定された病気の医療費自己負担限度額:0~30,000円
⇒認定された病気の医療費自己負担割合:2割
【関連記事】
⇒自己負担上限額や(指定難病の)医療費助成について|膠原病になったら
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膠原病になったら
【参考】医療費助成制度(難病情報センター)
【参考】高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省)
2:難病患者福祉手当(給付金)を受給できるか
自治体が実施している金銭的な手当で、毎月10,000円~15,000円程度手当金が給付されます。
要申請。否認される事もあります。
制度自体の有無や制度名も自治体によってさまざまなので、お住まいの自治体でこのような制度があるか確認し、ある場合は必ず申請しましょう。
参考:私の住んでいる区
申請後、認定通知書が1か月弱で自宅ポストに投函されていました。
月額16,500円の支給なのでかなり大きいです。
ポイント
⇒毎月給付金を受け取れる
※名目は難病患者福祉手当など自治体によって変わる
【関連記事】
⇒難病患者福祉手当(自治体の給付金制度)についての概要と申請手続き方法
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難病患者福祉手当
3:傷病手当金制度を利用できるか
サラリーマンの場合は最長1年6か月間、給与の約6割を給付してもらえる制度です。
自営業・フリーランスの場合はこの制度を利用する事ができません。
ポイント
⇒最長1年6か月間給与の約6割が支給
※自営業・フリーランスは利用不可
【関連記事】
⇒傷病手当金の利用申請|膠原病になったら
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膠原病になったら
医療保険加入を検討する必要性
前述した助成や制度をどの位利用できるかで医療保険へ加入する必要性は大きく変わってきます。
表にまとめて整理してみましょう。
ポイントの組み合わせと医療保険に加入する必要性は下記の通り。
医療保険の検討 | (指定難病の)医療費助成 | 難病患者福祉手当(給付金) | 傷病手当金 |
---|---|---|---|
加入が必要 | 〇 | 〇 | 〇 |
加入検討 | 〇 | × | 〇 |
加入が必要 | 〇 | 〇 | × |
加入が必要 | 〇 | × | × |
加入検討 | × | 〇 | 〇 |
加入が必要 | × | 〇 | × |
加入が必要 | × | × | 〇 |
加入が必要 | × | × | × |
医療保険に加入すべき3つのケース
- (指定難病の)医療費助成と難病患者福祉手当(給付金)の両方を受けられる
- (指定難病の)医療費助成と難病患者福祉手当(給付金)の両方を受けられない
- 傷病手当金制度が利用できない場合
上記3つのケースに当てはまる方は医療保険に入るメリットがありますので詳しく説明していきます。
1:(指定難病の)医療費助成と難病患者福祉手当(給付金)の両方を受けられる
理由は単純で、(指定難病の)医療費助成と難病患者福祉手当(給付金)の両方を受けられた場合、通院治療をしている限りは医療費よりも難病患者福祉手当(給付金)の額が上回ります。
場合によっては、毎月1万円近く難病患者福祉手当(給付金)の額が上回りますので、その分で医療保険の保険料を十分にまかなえます。
つまり、よほどの高条件にしない限り実質財布からの持ち出しなしで医療保険に加入できます。
給付金の額が医療費よりも上回ったからと、無駄に消費せずにいつか来る「再燃」に備える事は非常に重要です。
表では青文字で「加入が必要」となっている個所
ポイント
⇒通院治療時であれば医療費+保険料は難病患者福祉手当(給付金)内で収まる
【関連記事】
⇒(指定難病の)医療費助成についての概要と申請手続き方法
⇒難病患者福祉手当(自治体の給付金制度)についての概要と申請手続き方法
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難病患者福祉手当
【参考】医療費助成制度(難病情報センター)
【参考】難病患者福祉手当(区の制度)(台東区)
2:(指定難病の)医療費助成と難病患者福祉手当(給付金)の両方を受けられない
「再燃」はいつ起こるか分かりません。
どのタイミングであろうとも「再燃」して入院治療した場合は確実に「自己負担限度額」 + 「差額ベット代」+「食事代」の医療費がかかります。
(指定難病の)医療費助成が受けられないと、自己負担限度額は一般的な金額(年収500万円程度のサラリーマンなら8万円程度)になります。
健康な方の場合医療保険は給付金を受け取らずに金銭的な損をする方がほとんどです。
しかし、膠原病(こうげんびょう)を患っている場合は「再燃」がある以上、医療保険の給付金を受け取る条件を満たす可能性が非常に高いのでリスクに備えるべきです。
膠原病(こうげんびょう)になってノーガード状態は非常に危険です。
表では赤文字で「加入が必要」となっている個所
ポイント
⇒自己負担限度額の助成も給付金もないので医療保険の加入を要検討
※膠原病(こうげんびょう)は再燃する病気でいつ再燃するか分からない
【関連記事】
⇒(指定難病の)医療費助成についての概要と申請手続き方法
⇒難病患者福祉手当(自治体の給付金制度)についての概要と申請手続き方法
-
難病患者福祉手当
【参考】医療費助成制度(難病情報センター)
【参考】高額療養費制度を利用される皆さまへ(構成労働省)
【参考】全身性エリテマトーデス(帝京大学医学部内科学講座)
3:傷病手当金制度が利用できない場合
傷病手当金制度が利用できない場合も医療保険に加入する必要があります。
理由は、膠原病(こうげんびょう)は「再燃」する病気であり、ステロイド(プレドニゾロン)の服用量次第では入院が長期化するからです。
傷病手当金制度が利用できないと、「再燃」して入院するイコール収入断となってしまうので、医療保険に加入し「再燃」に備える必要があります。
ステロイド(プレドニゾロン)は免疫を下げてしまい、大量に服用している時は通常かからないような病気(肺炎など)に簡単にかかってしまうようになります。
医師の考えにもよりますが、服用量が下がる(15mg程度)までは入院が必要と一般的に言われていますので、「再燃」してステロイド(プレドニゾロン)の服用量が大量になった場合は数か月入院する可能性もあります。
表ではオレンジ文字で「加入が必要」となっている個所
ポイント
⇒「再燃」し入院するイコール収入断となる
【関連記事】
『私のステロイドの服用量・副作用を紹介』
⇒膠原病(全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群)のステロイド治療について
『退職してからの職探しは難病患者就職サポーターがサポートしてくれます』
⇒難病患者の就労支援
上記以外で傷病手当金制度を利用できる場合は要加入検討
傷病手当金が利用できれば、最長1年6か月間給与の約6割が給付されますので、「再燃」してもすぐに切羽詰まる状態にはなりません。
医療保険の加入是非は、下記項目で判断してもいいでしょう。
医療保険の加入が必要
- 蓄えが充分にない
- 体が弱く他の病気にかかる事も心配
医療保険の加入が必要ない
- 充分な蓄えがある
- 給与額相当の不労所得が継続してある(マンション運営・金融資産運用など)
- 万が一の時は親族などに頼る事ができる
- 医療保険の保険料で金銭的な損をしたくない
膠原病(こうげんびょう)である以上、「再燃」のリスクがあるので医療保険に加入する事がベストではあります。
しかし、経済的に保険が必要ない方も中にはいますし、十分な蓄えは無いが親兄弟などの親族に頼る事ができるのであれば医療保険に加入する必要は必ずしもないと言えます。
表ではオレンジ文字で「表では黒文字で「加入検討」となっている個所
ポイント
⇒最長1年6か月は給与の約6割が支給されるのですぐに切羽詰まる状態にはならない
⇒自身の状況に合わせて加入を検討する
【関連記事】
⇒傷病手当金の利用申請|膠原病になったら
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膠原病になったら
膠原病(こうげんびょう)にかかっても入れる医療保険の特徴は?
健康な方が入るような通常の医療保険に無条件で入れるならそれが一番です。
しかし、通常の医療保険がどんな時でも良い訳ではありません。
条件次第では保険料が割高でも、既往症がある人用の保険に入る方がメリットがありますので詳しく説明して行きます。
膠原病(こうげんびょう)の治療を現在進行形でされている場合、通常の医療保険に入る事は難しいです
1:通常の医療保険は不利な条件が付く事がある
条件を全て満たして加入している方との公平性を取るため、持病がある方が通常の医療保険に加入しようとすると、金銭的な不利や条件的な不利を被る事があります。
注意ポイント
保険料の割増
通常の加入者よりも補償を受ける可能性が高い分、保険料も割増になるという考え方です。
給付金の削減
通常の加入者よりも補償を受ける可能性が高いため、加入から1年間は給付金の支払いが発生しても半額になる等があります。
削減期間は1~5年間ですが、給付金の削減が1年の条件が付いた場合は迷わず加入するべきです。
理由は、膠原病(こうげんびょう)でも加入できる引受基準緩和型医療保険の多くは「給付金の削減が1年」つき、なおかつ「保険料が割高」だからです。
給付金の削減が1年の条件で通常の医療保険に加入(保険料は通常)できる事は大きなメリットです。
「特定疾病不担保」は病気自体が保障対象外
保障対象外とされた病気の症状が体のどの部位に出ても対象外になります。
「特定部位不担保」はどんな病気であっても特定の部位が保障対象外
保障対象外とされた部位はどの病気で悪化しても対象外になります。
また、「特定疾病不担保」と「特定部位不担保」は期限が設定される事があり、何年か後には保障される事もあれば、生涯保障対象外になる事もあります。
ポイント
■「特定部位不担保」 = 部位を保障対象外とする
⇒補償対象外の期限は数年から生涯
不利な条件は許容できるか考える
例えば、「特定疾病不担保」でも、(指定難病の)医療費助成を受けおり、不担歩にされた病気の自己負担上限額が0,から30,000円になり、傷病手当金制度も利用できるなら、保険料次第では検討の余地ありです。
2:引受基準緩和型の医療保険を検討する
膠原病(こうげんびょう)でも入る事ができ、膠原病(こうげんびょう)の悪化も保障対象になります。
と謳っている医療保険はコレ(引受基準緩和型)です。
膠原病(こうげんびょう)も保障対象になる事は最大のメリットですが、デメリットや、通常の医療保険よりも緩いとは言え加入条件はもちろんあります。
引受基準緩和型の医療保険のデメリット
- 保険料が割高(通常と比較して1.5倍~2倍ほど)
- 契約日から1年間は給付金が半額になる事が多い
しかし、膠原病(こうげんびょう)に関して言えば、「再燃」する事と、入院が長期になる可能性もあるので、保険料が割高でも膠原病(こうげんびょう)を保障してもらう方がメリットがあると言えます。
引受基準緩和型の医療保険加入条件
多くの引受基準緩和型の医療保険は、下記のような3つの質問事項に答え、全て「いいえ」の場合加入できます。
※保険商品によって質問内容は若干異なります
質問1
もしくは過去1年(3か月)以内に入院・手術・先進医療・検査を進められた事があるか?
※診療完了は除く
質問2
ここにリウマチ、膠原病と明記されている場合が多い。
※膠原病は全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、リウマチ熱、多発性筋炎・皮膚筋炎、強皮症、結節性多発動脈炎・結節性動脈周囲炎をさす事が多い
質問3
すなわち、上記の質問事項の場合は膠原病(こうげんびょう)で2年以内に入院していなければ加入できるという事になる。
※他の条件も「いいえ」となったうえで
膠原病(こうげんびょう)でも加入できる医療保険の条件は人によって異なる
これまでの説明をまとめると、膠原病(こうげんびょう)患者が医療保険に加入する場合、
- 通常の医療保険(条件なし)
- 通常の医療保険(条件あり)
- 引受基準緩和型医療保険
上記のどれかとなります。
※1から条件の良い順番で表記
そして、自分がどれになるかを決めるのは「病状と保険会社」次第です。
何故ここで保険会社が出て来るかと言うと、医療保険加入時の審査基準は保険会社で異なるからです。
つまりある保険商品で加入を断られたり、不利な条件が付けられても、違う保険会社の似た保険商品ではもっと良い条件で加入できる可能性があります。
以上から、膠原病(こうげんびょう)患者が保険商品を選ぶ際は多くの保険会社から似た保険商品の加入可否・条件を出してもらい、最も条件が良い物を選ぶのが重要です。
ポイント
⇒似た保険商品でも保険会社ごとに審査基準が違う
医療保険の選び方3手順
誤った解釈をし、保険商品の選択を間違ってしまった場合は自己責任です。
そうならない為の手順は下記の通りです。
- 保険の無料相談を利用する
- 通常の医療保険に加入できるか相談する
- 最も条件のいい引受基準緩和型医療保険を選択する
流れはこのようになりますが、保険の無料相談を利用するのは、沢山の保険会社の保険商品を扱っており、最も良い条件が出る保険商品の選定が簡単に出来るからです。
【大前提】保険会社を1つに限定しない
当たり前ですが、保険会社を1つに限定すると、同じ会社の保険商品しか紹介してくれません。
Docomoショップに行ったらauのプランや機種は紹介されませんよね?
それと同じです。
前述した通り、膠原病(こうげんびょう)患者の場合は様々な保険会社から出されている似た保険商品から最も良い条件のものを選ぶ事が重要です。
間違っても保険会社を1社に絞ってしまう事のないようにしましょう。
ポイント
1:保険の無料相談を利用する
これまで説明した通り、膠原病(こうげんびょう)を患っている場合、病状で加入可否、条件が変わってきます。
そしてその基準は保険会社によって異なります。
保険の無料相談を利用する事で、沢山の保険会社の似た保険商品を比較検討出来るので、最も良い条件の保険商品を見つける事が容易にできます。
また、プロに相談しながら選択するので解釈間違いによる失敗もせず安できます。
ポイント
⇒最も条件が良い保険商品を見つけやすい
⇒判断、解釈が難しい部分も間違えずに理解できる
保険の無料相談は本当に無料なのか?
保険の無料相談で、加入できる保険商品があり、加入を断った場合でも利用者は完全無料です。
保険の無料相談について、お金の流れを少し見てみましょう。
保険の無料相談
⇒FPから仲介料をもらう
FP
⇒保険料の一定割合が長期間FPへバックされる
という仕組みになっています。
FPにとって、保険の無料相談は保険の契約がとれるチャンスである事は間違いありませんが、毎回契約が取れるとは思っていません。
ですから、保険の加入を断られてもFPは気にしません。
また、加入を断ったから相談料を請求されたり、強引に保険の加入をさせられたりという事もありません。
そのような事をすると保険の無料相談から相談利用者の仲介が止められてしまうからです。
2:通常の医療保険に加入できるか相談する
通常の医療保険に無条件(かそれに近い条件)で入れる事ができればそれが一番です。
通常の医療保険は、加入時に過去5年間までけがや病気について確認されます。
このような方はかなり少ないですが、膠原病(こうげんびょう)を患って5年以上通院、ステロイド(プレドニゾロン)の服用をしていない場合は、通常の医療保険に加入できる可能性があるので確認をしてみましょう。
また、前述した不利な条件のうち、
- 保険料の割増
- 給付金の削減
上記どちらかのみで通常の医療保険に加入できる場合は迷わず加入するべきです。
理由は膠原病(こうげんびょう)でも入れる「引受基準緩和型」の医療保険は、「保険料の割増」と「給付金の削減」が(ほとんどの場合)デフォルトで設定されているからです。
どちらか片方で通常の医療保険に加入できるなら完全にメリットです。
ここで重要なのは膠原病(こうげんびょう)にかかって治療を受けている(いた)ことも包み隠さず正直に話す事です。
嘘を付いてバレたら場合によっては補償されないのはもちろん、悪質な場合は詐欺罪になります。
ポイント
⇒5年以上膠原病(こうげんびょう)の治療をしていない場合は通常の医療保険に加入できる可能性あり
2:通常の医療保険に条件付きで加入できないか確認
⇒「保険料の割増」か「給付金の削減」どちらか片方なら加入した方が得
入院給付金の日数は120日に設定した方が安全
「再燃」時に入院した際、ステロイド(プレドニゾロン)の服用量次第では入院が長期化するので、入院給付金の日数は60日だと足りない恐れがあります。
(指定難病の)医療費助成と難病患者福祉手当(給付金)の両方をうけられている場合は、多少保険料が高くなっても入院給付金の日数は120日(以上に)設定しましょう。
それでも、通院治療をしている場合は、「医療費」と「保険料」を足しても「難病患者福祉手当(給付金)」の金額以下である事が多いはずです。
また、「傷病手当金」制度が利用できない自営業・フリーランスの方は、上記助成が受けられない場合でも入院給付金の日数は120日(以上)にした方が安心です。
しかし、考え方によっては入院日額5,000円の120日と、日額10,000円の60日は同じ受取額になりますので、保険料の兼ね合いを見てどちらがいいか、それとも日額10,000円の120日にするかを決めて行きましょう。
ポイント
⇒入院給付金の保障日数を120日(以上)にすると安心
3:最も条件のいい引受基準緩和型医療保険を選択する
膠原病(こうげんびょう)である事と自身の病状を正直に全て伝え、通常の医療保険に「保険料の割増」か「給付金の削減」どちらか片方で加入できない場合は、最も条件が良く加入できる引受基準緩和型医療保険を選択します。
条件が付いた医療保険と、引受基準緩和型のどちらにメリットがあるか判断できない場合は相談しているプロの意見も踏まえ選択をしましょう。
引受基準緩和型の場合も、入院給付金の日数は120日(以上)にしておく方が安全です。
ポイント
⇒引受基準緩和型で最も条件の良い保険商品を選択
■再燃時のステロイド(プレドニゾロン)服用量次第では入院給付金の保障日数が60日だと足りなくなる事も
⇒入院給付金の保障日数を120日(以上)にすると安心
安心できる無料保険相談3選
1:保険コネクト
保険コネクトのメリット
- 無料相談
- 全国対応
- 持病があっても大丈夫
- しつこい勧誘禁止
- 面談前のヒアリングでお互い無駄になる面談は設定しない
- 経験が5年以上のFPに相談できるので膠原病(こうげんびょう)患者一人一人の病状にあった最も条件のいい保険商品を選定してくれる
- 評判の悪いFPは紹介禁止など内部コンプライアンスがしっかりしている
保険コネクトは面談前のヒアリングで膠原病(こうげんびょう)である事を伝えられますのでその心配は無用です。
最大のメリットは経験豊富なFPが対応してくれること
前述しましたが、膠原病(こうげんびょう)患者の医療保険選びは、通常の保険と異なり「病状と保険会社によって加入可否・条件」が変わります。
従って、沢山ある似た保険会社(商品)から最も良い条件の出る保険商品を選ぶ事になりますが、これには高いFPのスキルが要求されます。
しかし、保険コネクトは経験が5年以上という厳しい条件を満たしたプロフェッショナルが2,500人以上いますのでこの心配はしなくて済むのが最大のメリットです。
また、「評判が悪かったFPは紹介禁止」などコンプライアンスがしっかりしていますので、例え面談して勧められた保険商品に加入しなかったとしても、悪く言われたり、態度・表情に出すような事はしません。
万が一でも相談中に不快な思いをした場合は、そのまま中断の意思を伝えて構わないと謳っています。
もちろんしつこい勧誘もありません。
相談に自宅を使用できない場合はカフェのような公共の場になる事がデメリット
デメリットとしては、訪問型のため自宅やカフェでの相談になります。
自宅はまだしも、カフェのように不特定多数の方がいる中で、懐事情やライフプランというようなプライベートの深い部分を話すのは嫌だという場合は向いていません。
2:保険見直しラボ
保険見直しラボのメリット
- 無料相談
- 全国対応
- 持病があっても大丈夫
- 訪問型なので希望の場所へ保険のプロが来てくれる
- しつこい勧誘は一切なし
というような心配を持つ方は多いですが、保険見直しラボは(こちらの)来店型ではなく(保険のプロが)訪問型なので、希望の場所に合わせて保険のプロが訪問してくれます。
ですから、そのような心配をする必要はありません。
もちろん相談は無料で、しつこい勧誘は一切ありませんので安心して利用できます。
デメリットは、訪問型なので保険コネクトと同じように、自宅やカフェで込み入った話をするのが嫌な場合は向いていません。
3:ほけんの時間
ほけんの時間のメリット
- 無料相談
- 全国対応
- 持病があっても大丈夫
- 訪問型なので希望の場所へ保険のプロが来てくれる
- しつこい勧誘は一切なし
保険見直しラボ同様に(こちらの)来店型ではなく(保険のプロが)訪問型なので、希望の場所に合わせて保険のプロが訪問してくれます。
ですから、都合にあわせて自宅や近所のカフェ、ファミリーレストランでも相談可能です。
しつこい勧誘が一切ないのはもちろん、登録された1000名のFP(ファイナンシャルプランナー)の中から、ベストなFPが相談にのってくれます。
こちらも保訪問型なのでデメリットは全社2つ同様、自宅やカフェで込み入った話をするのが嫌な場合は向いていません。
まとめ
「再燃」という膠原病(こうげんびょう)の特徴を考ると、よほど余裕が無い限りは医療保険に加入しておきたいです。
そして膠原病(こうげんびょう)患者は加入する保険商品の選び方が通常とは全く異なります。
一社一社保険会社の営業マンに相談するのは効率が悪すぎますし、かといって複雑な保険商品を資料請求して自分で判断するのも危険です。
しかしこの問題は、これまで説明した通り保険の無料相談を利用してプロのFPに沢山の保険商品の中から選んでもらえば簡単に解決できる事です。
とりあえず加入できると言われたから加入したが、調べてみたらもっといい条件で似た保険商品に入れたという事態の無いようにしましょう。
また、プロに相談する場合は自身の病気(病名・症状)の他に、
- (指定難病の)医療費助成はうけているか
- 難病患者福祉手当(給付金)はうけているか
という、健康な方には無い難病患者ならではの手厚い保障を受けている事は必ず伝えるのを忘れないでください。
この2つを受けているかいないかで、選択する保険の種類も変わってくるはずです。
入って良かったと思える保険が見つかるまで妥協せずにプロへ相談しましょう。
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