生活保護の出産扶助
- 出産(分べん)にかかる費用を支給
お断り
本記事の内容は、私が担当ケースワーカーさんに取材させていただいた内容を元にしています。
生活保護は、各自治体の裁量が非常に大きく、自治体によっては対応が異なる場合もありますので、参考としてご覧になってください
今回は生活保護の出産扶助について説明します。
出産扶助とは、文字通り出産(分べん)時の費用が支給される扶助です。
と思う方もいると思いますが、妊娠時や産後には妊産婦加算という、生活保護の支給額が加算される制度が別にあります。
ですから、出産扶助はあくまで出産(ぶんべん)に対しての扶助となります。
今回はそんな生活保護の出産扶助について
生活保護の出産扶助
- どんな扶助なのか
- 支給される費用
- 出産扶助を受ける流れ
を紹介します。
出産扶助は生活保護の扶助の種類
扶助の種類
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 医療扶助
- 介護扶助
- 出産扶助
- 生業扶助
- 葬祭扶助
生活保護の扶助(費目)を分類すると8つに分類でき、出産扶助はその1つです。
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出産扶助とは?
出産扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 分べんの介助
二 分べん前及び分べん後の処置
三 脱脂綿、ガーゼその他の衛生材料
引用:生活保護法第16条 出産扶助(電子政府の総合窓口 イーガブ)より
つまり、出産(分べん)に必要な費用を支給してもらえます。
冒頭でも触れましたが、出産扶助はあくまで出産(分べん)に対しての扶助であり、妊産婦がいる世帯への支給を対象とした妊産婦加算も別にあります。
参考平成 30 年度生活保護実施要領等(厚生労働省 PDF)
出産扶助で支給される費用と支給額
出産扶助では3つの項目があります。
No | 費用 | 支給額 |
---|---|---|
1 | 基準額 |
|
2 | 入院費 | 8日以内の実入院日数に要する必要最少限度の額 |
3 | 衛生材料費 | 5,700円以内 |
支給される金額の目安としては、1児を正常分娩した場合、約400,000円位になるようです。
参考平成 30 年度生活保護実施要領等(厚生労働省 PDF)
1:基準額
基準額
■居宅分べん:262,000円以内
出産(分べん)に充てる費用です。
真にやむを得ない事情があり、出産(分べん)費用が基準額を超える場合は特別基準が適用され、308,000円が支給されます。
真にやむを得ない事情とは、
真にやむを得ない事情
- 出産予定日の急変等により、予定していた施設において出産するいとまがない場合又は予定していた施設が満床等で利用できない場合
- 予約していた医師又は助産師の都合により、その介助が受けられない場合
- 傷病により入院している間に出産した場合
と定義されています。
また、双子を出産(分べん)した場合は、基準額も2倍支給されます。
2:入院費
入院費
入院、助産所等施設で出産(分べん)する場合に支給されます。
実入院日数分なので、入院日数によって金額は変動します。
また、必要最小限度の額というのは医療扶助において認められる入院に係る費用(入院基本料等)に基づきます。
医療扶助の対象は保険適用されるものに限定されていますので、差額ベット代が発生する個室などの金額は支給されません。
また、入院中の食事に関しては医療扶助の対象ですから支給されます。
3:衛生材料費
衛生材料費
脱脂綿やガーゼ、その他の衛生用品を購入する費用として支給されます。
と思うかも知れませんが、必要だと思ったものを購入して構いません。
支給された衛生材料費は、領収書やレシートを提出して、衛生材料費の使い道を報告する必要はないからです。
出産と全く違う物を買うのは問題がありますが、
と心配せずに、出産に必要だと思ったものを購入しましょう。
出産扶助を受けるには?
ケースワーカーさんに報告と相談をしましょう。
とは言っても出産ギリギリに相談・報告するのではなく、妊娠が分かった時点で伝える事が重要です。
妊娠している場合、生活保護の支給額が加算される妊婦加算がありますが、報告・申請した月からしか支給されません。
例え妊娠していた事実があっても、報告していなかった月までさかのぼって妊婦加算を支給してもらう事はできないのです。
ですから、妊娠加算と出産扶助を併せて支給してもらい、少しでも負担を軽くするようにしましょう。
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まとめ
当たり前ですが、生活保護受給者でも出産する権利はあります。
ですから、出産(分べん)にかかる費用も支給をしてもらう事は出来ますが、無条件ではありません。
個室の利用料は支給対象外ですし、その他の保険適用外だったり支給金額を超える出産方法は選択できません。
ただ、支給される金額内でも通常の出産(分べん)はできるよう計算されていますし、どうしても難しい場合は特別基準の適用をしてもらえないかもケースワーカーさんに相談してみましょう。
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