
この記事では生活保護の生活扶助(生活費)について詳しく説明します。
そもそも、生活保護には沢山の扶助(費目)があります。
そして、生活扶助(生活費)は生活保護で沢山設定されている扶助(費目)の1種類であり、日常生活を送る為の生活費になります。
でも、生活費って人それぞれ違いますよね?
例えば、食べ盛りの子供が沢山いたら食費だってかさみますし、寒い地域に住んでいたら暖房代が高額になります。
ですから、生活扶助(生活費)は費目が細分化されて一人一人(世帯)に合った金額が設定さます。
今回はそんな生活扶助(生活費)が
生活扶助(生活費)
- どんなものなのか
- どのように細分化されているか
- 細分化された条件を満たす場合どうしたら支給されるか
- 生活扶助(生活費)の使い道
について説明します。
生活扶助(生活費)は生活保護の扶助の種類
扶助の種類
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 医療扶助
- 介護扶助
- 出産扶助
- 生業扶助
- 葬祭扶助
生活保護の扶助(費目)を分類すると8つに分類でき、生活扶助(生活費)はそのうちの1つです。
そして生活保護の扶助の内、毎月必ず支給されるのは生活扶助と住宅扶助の2つです。
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生活扶助(生活費)とは
生活扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの
二 移送
引用:生活保護法第12条 生活扶助(電子政府の総合窓口 イーガブ)より
つまり、生活扶助(生活費)は文字通り生活費なのですが、生活扶助(生活費)自体が更に細分化されています。

参考生活保護制度(厚生労働省 ホームページ)
参考生活保護法第12条 生活扶助(電子政府の総合窓口 イーガブ)
生活扶助(生活費)の種類
種類 | 加算 | 内容 | 支給対象 | 支給額 (1級地-1の場合) |
---|---|---|---|---|
第1類費 | - | 食費・被服費等の個人単位の経費(年齢別) | 全生活保護受給者 | 年齢と級地で変動 |
第2類費 | - | 光熱費・家具什器費等の世帯単位の経費及び地区別冬季加算(世帯人員別) | 全生活保護受給者 | 世帯人員と級地で変動 |
入院患者日用品費 | - | 病院に入院している被保護者の一般生活費 | 条件を満たした場合のみ支給 | 23,150円以内 |
介護施設入所者基本生活費 | - | 介護施設に入所している被保護者の身の回り品等一般生活費 | 条件を満たした場合のみ支給 | 9,890円以内 |
妊産婦加算 | 加算 | 栄養補給等妊産婦の特別な需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | ・妊娠6か月未満:9,140円 ・妊娠6か月以上:13,810円 ・産婦:8,490円 |
母子加算 | 加算 | 一方の配偶者が欠ける状況にある者等が児童を養育しなければならないことに伴う特別な需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | (子供1人の場合)23,260円 |
障害者加算 | 加算 | 障害を抱えることによって生じる特別な需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | ・身体障害者障害程度等級表1,2級:26,850円 ・身体障害者障害程度等級表3級:17,890円 |
介護施設入所者加算 | 加算 | 介護施設に入所している被保護者の教養娯楽等特別な需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | 9,890円以内 |
在宅患者加算 | 加算 | 在宅患者の栄養補給のための特別な需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | 13,290円 |
放射線障害者加算 | 加算 | 原爆放射能による負傷、疾病の状態にある物などに係る特別な需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | 42,530円 |
児童養育加算 | 加算 | 中学校修了前の児童の共用文化的経費等の特別需要に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | 児童1人につき:13,000円 |
介護保険料加算 | 加算 | 被保険者が負担すべき第1号保険料に対応 | 条件を満たした場合のみ支給 | 実費 |
期末一時扶助 | - | 年末における特別需要に対応 | 全生活保護受給者 (条件あり) |
13,890円 |
一時扶助 | - | 保護開始時、出生、入学、入退院時などに際して、必要不可欠の物資を欠いており、かつ緊急やむを得ない場合に対応 | 費目ごとに定める | 費目ごとに定める (被服費、家具什器費、移送費、入学準備金、その他) |
生活扶助には、上記のような種類があり、第1類費と第2類費は生活保護の受給者であれば毎月必ず支給されます。
それに対して、入院患者日用品費や介護施設入所者基本生活費の他、各種加算や一時扶助は、支給条件を満たしていなければ支給されません。
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参考生活保護基準の体系等について(厚生労働省 PDF)
参考お住まいの級地確認(厚生労働省 PDF)
参考生活扶助の計算(厚生労働省 PDF)
第1類費
個人にかかる費用で、食費や被服費の他、趣味や娯楽に割り当てていいとされるものです。
必要な食事量(食費)は年齢によって変動し、物価は地域で異なるので、年齢と級地で第一類費の金額は変動します。
参考お住まいの級地確認(厚生労働省 PDF)
参考生活扶助(第1類費)の計算(厚生労働省 PDF)
第2類費
世帯にかかる費用で、光熱費や家具什器等が該当します。
生活保護は世帯単位で受ける制度であり、光熱費や家具、家電など、世帯人員数で変動する費目が分類されます。
その為、第2類費は世帯人員数と級地で決定します。
参考お住まいの級地確認(厚生労働省 PDF)
参考生活扶助(第2類費)の計算(厚生労働省 PDF)
各種加算と一時扶助
第1類費と第2類費以外の、各種加算や一時扶助は条件を満たさなければで支給されません。
入退院や、入学以外にも期末(年末)に追加で支給されるものなど様々な種類があります。
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生活扶助(生活費)の金額は人によって異なる
これまで説明した通り、生活扶助(生活費)は、
生活扶助(生活費)
- 年齢
- お住まい(級地)
- 世帯人員数
- その他
で変動します。
生活保護は、最低限度の生活を送るための制度ですから、様々な角度からその人にとってどのような費用が必要か勘案される訳ですね。
【注意】各種加算や一時扶助を受けるにはケースワーカーに相談
何も言わなければ生活扶助(生活費)で支給されるのは第1類と第2類のみです。
例えば、妊娠した(していた)としても、本人の申告がなければ福祉事務所では把握する事ができません。
という事にはならないので、各種加算に該当すると思ったらケースワーカーに報告、相談をしましょう。
中には冬季加算のように、時期という条件さえ満たせば申告せずに追加してもらえる加算もありますが、基本的に加算や一時扶助は自給者が申し出る必要があります。
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生活扶助(生活費)で支給されたお金は何に使ってもいい
前述の通り、生活扶助(生活費)は細かな計算で算出されていますが、使い道は自由です。
決して「食費は第1類の金額の範囲内に抑えなければならない」という訳ではありません。
生活扶助(生活費)の使い道は限定されていませんし、何にいくら使ったかレシートや領収書の提出をする必要もありません。
支給されたお金の範囲内であれば裁量は自身に委ねられます。
一部自治体(兵庫県小野市)では生活保護で支給されたお金をギャンブル(パチンコなど)に使う事を禁止しています
また、家電が壊れた時は追加で扶助してもらう事が出来ませんので、万が一の時の為に貯金をしておく事も重要です。
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参考お住まいの級地確認(厚生労働省 PDF)
参考生活扶助の計算(厚生労働省 PDF)
まとめ
生活保護は、全ての収入を足しても最低生活費に満たない場合受けられます。
そして最低生活費は、今回生活扶助(生活費)で説明した通り人によって変動します。
出来る限り沢山の状況をカバーできるように、扶助の種類も沢山設定されている訳ですね。
ですから年齢、住んでいる地域、家族人員数以外にも、妊娠中だった場合などでも加算されます。
とは言っても、言わなければ分からない事は福祉事務所でも把握できないので、もし生活扶助(生活費)の加算に該当する場合はケースワーカーさんに相談しましょう。

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