この記事の医療費は特定医療費(指定難病)受給者証に記載されている、つまり医療費助成を受けられる病気の受診でかかる医療費のみを指します
この記事を読むメリットがある方
- 指定難病を患っている
- 特定医療費(指定難病)受給者証を取得している
- 特定医療費(指定難病)受給者証の取得後に生活保護になった
- 特定医療費(指定難病)受給者証を生活保護者用に変更手続中(予定)
今回は特定医療費(指定難病)受給者証を生活保護者用へ変更手続きしている間の通院について紹介します。
結論から言うと、普通に手続きした場合特定医療費(指定難病)受給者証を生活保護者用(自己負担0)へ変更手続きしている間(2,3か月)は、自己負担10割で医療費を立て替える事になります。
とは言っても、生活保護受給者が10割負担で医療費を立て替える事はできません。
その為、私が特定医療費(指定難病)受給者証の変更手続き時は、保健センターの方(手続き担当)が福祉事務所(生活保護担当)に電話して色々と対応を協議するという事態に。
そして出した答えが、特定医療費(指定難病)受給者証(医療費助成)を利用せず、医療券で病院を受診する事で自己負担を0にするという事でした。
今回は指定難病(全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群)を患い、特定医療費(指定難病)受給者証を取得している私が、
ココがポイント
- 生活保護受給者になり
- 特定医療費(指定難病)受給者証の変更手続きをしている間
- 対象疾病の医療費を自己負担0にしてもらった
一連の流れを紹介します。
かなりのレアケースだと思いますが、当事者になってしまった場合は最悪医療費を10割負担する事になりますので、この記事を読んだ方がそのような事態を避けられますよう願いを込めてこの記事を書いています。
お住まいの自治体(担当福祉事務所)と都道府県で対応が異なる可能性もあるので、本記事はあくまで参考とし、詳細は必ず担当ケースワーカーさんへ確認を取ってください
【大前提】生活保護受給者は医療費の自己負担が0になる
制約はありますが、生活保護受給者になると医療券というものを利用する事で医療費の自己負担が0になります。
制約には、
生活保護受給者の通院時制約
- 生活保護受給者(医療券)の受診を拒否する医療機関がある
- 生活保護受給者(医療券)の処方を拒否する薬局がある
- 原則ジェネリック医薬品を使用する
などがあります。
生活保護受給者は医療費が自己負担0になるなら特定医療費(指定難病)受給者証も変更手続きも必要なくない?
制度上の問題なんだけど、制度に優先度があるから今回の事態が起こったんだ
どういう事?
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生活保護は優先度が最も低い
資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)
引用:生活保護制度(厚生労働省ホームページ)
全てを活用とは、各種助成(指定難病の医療費助成や障害年金など)や手当金(難病患者福祉手当など)を全て利用したうえでという事です。
ですから、特定医療費(指定難病)受給者証で指定難病の医療費助成を受けられる場合は、生活保護よりもそちらが優先されます。
そして、特定医療費(指定難病)受給者証で指定難病の医療費助成うける場合も、生活保護受給者になると自己負担が0になります。
確かに医療費の自己負担が0という結果は同じだけど、負担している所が違うんだ
生活保護(医療券)と指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)は医療費を負担する場所が違う
医療費の負担
- 生活保護(医療券):お住まいの市区町村
- 指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証):都道府県
どちらの制度でも生活保護受給者は医療費の自己負担が0である事に変わりありませんが、上記の通り医療費を負担する側は異なります。
そこで前述した、「すべてを活用しても」という考えが根本的にあるので、医療費も指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)を使えるなら使う事が大前提になります。
そういう事!!
これも説明するね
指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)は生活保護受給者用に変更する手続きが煩雑
詳しくは「【生活保護】特定医療費(指定難病)受給者証の変更手続き」の記事で紹介していますが、指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)は生活保護受給者用に変更するのに2,3か月かかります。
そして、変更手続きが完了するまでは医療費の自己負担が10割になったうえでいったん立て替える事になります。
とは言っても、立て替えとはいえ生活保護者が医療費を自己負担10割するのはムリなので、変更手続きが完了するまでは指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)を使わず生活保護(医療券)を使うという流れになりました。
指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)と生活保護(医療券)比較
項目 | 生活保護 【医療券】 |
指定難病の医療費助成 【特定医療費(指定難病)受給者証】 |
---|---|---|
生活保護受給者以外の利用 | × | 〇 |
医療費の負担割合 | 0 | 0~30,000円 所得によるが生活保護受給者は0 |
備考 | - | 一般から生活保護者用に変更する際は2,3か月かかり、その間は自己負担10割で医療費を立て替える |
指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)は生活保護者受給者でなくとも利用できる制度です。
非常に手厚い助成をしてもらえるのですが、一般から生活保護に変更する際は手続きが煩雑になってしまい、今回のように2.3か月は自己負担10割になってしまうという事態が発生してします。
特定医療費(指定難病)受給者証を生活保護者用に変更している間の通院方法
通院の流れ
- 医療券を発行してもらう
- 特定医療費(指定難病)受給者証に記載された医療機関を受診
- 薬を処方してもらう
以上です。
流れを見ていきましょう。
1:医療券を発行してもらう
福祉事務所で発行してもらいます。
2:特定医療費(指定難病)受給者証に記載された医療機関を受診
通院時の持ち物
- 医療券
- 医療費助成対象者証明書
- 自己負担上限額管理票
- 診察券
基本的に医療券を使えば、医療費助成対象者証明書と自己負担上限額管理票は必要ないはず。
医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証)を使わないので自己負担限度額に医療費が記載される事もありません。
ただ、自治体や都道府県によって扱いが若干変わる可能性があるので、念のため医療費助成対象者証明書と自己負担上限額管理票を持参しましょう。
3:薬を処方してもらう
処方箋の段階で自己負担が0割と書いてありますので、その処方箋を薬局へ提出すれば自己負担0で薬を処方してもらえます。
そうなるね
で、生活保護者用に変更された特定医療費(指定難病)受給者証が届くまでこれを続けるわけね
ただ、どの都道府県、市区町村でも同じ扱いになるかはわからないから、都度担当ケースワーカーさんに聞いた方がいいね
まとめ
生活保護受給者は医療費の自己負担が0ではありますが、その医療費を負担する場所は異なる可能性があります。
今回は
ココがポイント
●指定難病の医療費助成(特定医療費(指定難病)受給者証):都道府県負担
●生活保護(医療券):市区町村負担
のお話でした。
また、特定医療費(指定難病)受給者証の変更手続きが完了したら、速やかにケースワーカーさんに報告し医療券の利用を止めましょう。
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